無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

「今なんて言った?」 


「だから、璃央君が大好きです、って言ったの」


「無理、可愛すぎだろ……」


顔を隠してるけど、耳まで赤いのは隠れてないよ。


「よかった、可愛いって思ってもらえることが今日のふたつめの目標だったから、すごく嬉しい」


ひとつめは、もちろん思い出してもらうこと。
おしゃれして、髪もきれいにして、璃央君に会うために家を出たの。


思い出してもらえないかもって、そんな怖さにずっと押し潰されそうだった。
でも今は、すごく幸せ。


「ねぇ、抱きしめてあげようか?」


いい気分になってそう言ってみた。
私のなかにも悪い子が眠ってるんだからね!
なんて強気になってたのもつかの間、ぐいっと顎を引かれて無理矢理に璃央君と見つめ合う形に……。


「今のセリフ、俺の目を見てもっかい言える? てか言って」


「ぃ……意地悪しないでっ」


目を逸らしても胸の高鳴りをごまかせない。
だって璃央君の高圧的な顔は甘すぎるし、拗ねた顔すらとっても危険だから。


「人が我慢してんのにほんと生意気」


ぐいっと顎を持ち上げられて、顔が近づく。
キスされる……!?
と身構えたけど、ほんの3センチくらいの距離でぴたっと、止められてしまった。


「ち、近いよ……璃央君」


震えた小声でそう言うと、璃央君の口から甘い吐息が漏れた。


「キスされると思ったろ? ダメ、お預け」


不機嫌な声だけが唇に触れてる。
のぼせてしまって何が起きたのかわからないままの私の首に片手を添えると、今度は意地悪な笑顔を見せて璃央君はこう言ったんだ。


「じゃああの日の続き、今からね」


って。




               end