無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中



「教室から来たってほんとう?」


璃央君がくれたホットレモネードで手を温めながら、最初にでてきたのはそんな間抜けな質問だった。


「片付けて打ち上げしてるとこだったけど、早く羽奈んとこに行きたくてちょうど抜け出すとこだったよ。なんかあった?」


そう聞かれて、ほんとうのことを言った。


璃央君が他の女の子とキスしてるところを見たって勘違いをして、学校から逃げ出してしまったことを。


「だって、私のことなんか名前くらいしか思い出してないでしょう? 約束だって後回しにされてもおかしくないなって思って」


不安になって璃央君の目を見たら、ちょっと沈黙ができてしまった。仕方ないけど図星だったのかも。


「やきもち妬いた?」


そう聞かれて、そんなんじゃ……といいかけてやめた。だって素直になりたい。
素直になった私を可愛いって思って欲しい。


「他の女の子にキスしないでって思っただけ」


聞き取れないくらい声が小さかった。ものすごく勇気をだしたのに。