無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

「道に迷ったの? 案内しよっか」


「駅まででよかったら車で送るけど」


親切な方たちだけど、こんなふうに近づいてくる人とは口をきくのも禁止されていた。
距離を取らないと、って後ずさっただけなのに、強引に腕を掴まれそうになった、その時。


「おまえら何してんだよ」


男の人の手を握りつぶしそうな勢いで掴んだのは璃央君だった。


「汚い手で触んないでくれる? あと彼女の視界に勝手に入ってくんな」


息を切らして、冷ややかな鋭い目でその人たちを追い払ってくれた。
こんなこと初めてで、気が抜けて座り込んでしまいそうになったのを咄嗟に璃央君が支えてくれた。


「教室の窓から羽奈が走っていくのが見えたから慌てて追いかけてきたんだ。遅くなってごめんな、怖かったろ、大丈夫?」


璃央君は私を安心させようと笑顔でそう言って、近くの公園のベンチに座らせてくれた。