無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

でも待って。
ほんとにみんなこんな大胆なことするの?
こんなことするのはいたずらばっかりしてた、悪い子の璃央君くらいじゃない?


そう思ったら、非常階段の男の子が璃央君にしか思えなくなってきた。


私のことを思い出したのはまだ名前くらいだろうし、人気者だから先約がない方がおかしい。
もしそっちに行っていて、上にいる子が彼だとしたら……。


やだな。キスの音、止まらない。
耳を塞いでも、璃央君の意地悪な顔を思い出してしまう。


あの時の優しい目が他の女の子をみつめてるんだって思ったら目眩がするほど嫌な気持ちになって、気づいたらその場から逃げ出してしまっていた。


だけど正門を出てしばらくすると道に迷った。
ほんとに子供みたい。というか子供。
璃央君が送ってくれるって言うから迎えの車もお願いしなかったんだ。


でももう前の自分とは違うもの!
羽奈は一人で帰れます!


そう意気込んでスマホのマップを見ていたら派手なお兄さんたちに声をかけられてしまった。