無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中



「この後、日が落ちたら校内がライトアップされるんだよ。すごくきれいで告白するのに絶好のシチュエーションだから羽奈ちゃんもそれに乗っかっちゃえばいいのに」


「そうだよ、婚約とか関係なくあのふたりは羽奈ちゃんのことを好きになったんだから、ちゃんと応えないとね」


「大丈夫、応援してます!」


みんなからそう言われて目が覚めた。


「私……ほんとうは結婚じゃなくて恋がしてみたい。ね、今のどうかな? 素直になれてた?」


勇気を出して言ったら「もうすでにめちゃくちゃ可愛い!」って3方向から熱烈なハグをされてしまった。


クラスに戻るふたりと、お迎えが来てしまった尾崎さんとは今日はここでお別れ。
暮れていく空をみて、もう冬が来るんだって思った。


夕方五時を過ぎたらほんとうにあっという間に日は落ちて、次々に校舎や中庭の木々がライトアップされていく。
ほんとに綺麗。
おとぎの国の小さな森みたい。


璃央君とは一応待ち合わせをしてる。また会えると思ったらドキドキしてきた。早めに行ってこの気持ちをかみしめながら待っていたい気分。


でも右に行けばカップル、じゃあ左、って遠回りしてもカップル。


いい雰囲気を邪魔しないよう、気配を消そうと頑張ってるけど、これじゃ待ち合わせ場所に行けないよ。さっきからずっと1ヵ所を右往左往してるだけ。


ふと小鳥が鳴いた気がして見上げると、非常階段にいたふたりがキスしてた!


どうしよう、その音が止むどころかエスカレートしていくような……。
うちの学園ではこんなシーンに出会うことなんてないのに。