無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

「イケメン双子の王子が淹れる甘いお茶と胸キュンセリフ、いかがっすか~!」


過大広告のせいで客が止まらなくなり午後の分にまで手をつけなきゃいけない状況になって、うちのクラスはいったん閉めることになった。


校舎中を回り終えてから体育館へ向かうと、書道パフォーマンスやコントでみんなめちゃめちゃ盛り上がってた。


途中音響トラブルがあってテンパってる実行委員を手伝ったりしていたら、直った途端に召集がかかってすぐに出番待ちになった。


「みんな、楽器とかどーでもいいからビジュチェックをぬかるな。柊佳にくっついて星菏宮からも女子がわらわらやって来たらしいから」


「しかも美姫と沙也可が下界に降りるのを怖がってるお姫様を連れ出すことに成功したってよ。なぁ……聞いてんのか璃央! ちゃんと聞け! 普段下界にはいないお姫様がなぁ、勇気を出してだなぁ、おまえのなぁ」


「聞いてる聞いてる。おまえ鼻毛出てるよ」


「えっ、マジ? 危なっ!」


どんだけ可愛くても女子はしばらくいいや。
真由とのことがあってからなんか調子が狂ってる。誰も何も平凡に見えて遊ぶ気にもならない。男子とつるんでる方が断然楽しい。


舞台に上がると体育館はさっきよりずっと満員で、汗ばむくらいの熱気に満ちていた。

「みんな。アンコールありがとう!」

「まだ、始まってねーわ!」


ボーカルのじゅんのボケに誰かがツッコミを入れたのを合図にサトがキックを踏んで、ベースがうねりギターが歪むと体育館が揺れるくらいの歓声があがり客席は一気にヒートアップした。


首筋に血管を浮き上がらせて歌うじゅんはかっこよくて、サトは楽しそうで、シンタは通常運転で。俺はそれが嬉しくて、ただただはしゃいでいた。