無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

後日、空高くまで澄み渡る秋晴れの空のしたで、うちの高校の文化祭は華々しくスタートした。


バンドの方に気を取られてちゃんと把握してなかったんだけど、うちのクラスは《王子様カフェ》をするらしい。


午後になると《お姫様カフェ》に変わって女子が担当する時間になるみたい。


「衣装めっちゃ気合い入れたんだからふざけないでちゃんと着てね!」


女子からプレッシャーをかけられる。
確かにずらりといろんな時代の王子を思わせるものが揃ってた。


接客のマニュアルまであるからそれを頭に叩き込むのが大変そうだ。あとこのメニューは誰が考えたんだよ。


(ミルクティー120円・まだ帰したくない)  
(カフェラテ130円・そのままの君が好き)
(コーヒー120円・俺だけを見てろよ)
(りんごジュース130円・君を守りたい)


提供するときに跪いてこのセリフを言わないといけないなんて……。


俺が寝てる間にみんなアイディア出しや準備を頑張ってたんだなと思ったら(ものすごく恥ずかしいけど)いい加減にやるのはやめようと思った。


そうなふうに思えるのは一度死にかけたお陰なのかも。
だけどそんな俺に衣装はなかった。
そのままでやれって。