思い出のなかに






その日の夜。







「・・・はぁ・・・・・風が気持ち良い。」




私は、滅多に上がらないベランダに上がっている。


夜風が思いのほか気持ち良く、頭を冷やしてくれる。





「・・・・ありがとう・・・・ねぇ・・・・。」




あの時も


泣くしかできなかった私に―・・・?







「・・・秋斗―・・・・・どうだった?・・・幸せ・・・だった?」




返事など、してくれる筈も無いのに。



最近、一人ごとが多くなったかな・・・?







ビュウッ!!


「ぅわ!?・・・・あー、すごい風・・・・・・・・・!」



冷たい強風の中で


一瞬―・・・・生温い風が吹いた。


でも―・・・それは、どこか心地よくて―・・・。


「・・・・・・秋斗・・・かな・・・?」


あくまで推測だけど。



「・・・・ありがと。」



どこかで、「どういたしまして」と囁かれた気がした。



空耳かもしれないが、一応、メッセージとして受け取っておこう。