裏切りの先で、あなたに出会った

――最初は、本当に些細なことだった。




――あの日からだった。




「……ルア? むぎ?」




玄関のドアを開けながら、小さく呼びかける。
返事はない。





「珍しいな……」




靴を脱ぎながら、わずかに首を傾げた。






いつもなら、足音だけで駆け寄ってくるのに。




リビングへ向かおうとした、そのとき。



――かすかな物音。





平日の昼間。




この時間に、人がいるはずのない隣の家からだった。






思わず足を止める。