履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜


たまたま昼当番だった佐川さんが対応してくれたのだ。

「佐川さん、お疲れ様〜」

「お疲れ様です、物品ですね、確かに」

「ねぇ」

万珠は小声で佐川さんに近づいた。

「同期会の幹事、富岡さんなんだって?」

「そうみたいね、白鳥さんが断ったからって」

「でも、こっちは出張なんだよ?しかたなくない?」

「私もそれは言ったよ」

「もう、声さえもかけられてないんだけど(笑)万珠何して嫌われたんだろ」

「出張なのは知ってたし、出張で断ったってわかってるからじゃないの?」

「でもね、万珠が幹事を頼まれたのは日にちも場所も決まってない時だったんだよ?」

「そうなの?じゃあわざと出張中に同期会をするって事?」

「そうなの〜万珠は悲しいよー」

「うん、それはね、やんわり聞いておくよ」

「ありがとう!」

万珠は佐川さんにお礼を言って席に戻った。

しばらくすると三浦さんが、その後に安達さんが昼休みから戻ってきた。

万珠は冷静を装って仕事をしていた。

2時半になると万珠は社長室に行くために3階へ…

ノックをして社長の声がすると万珠は部屋に入ってドアを閉め、そこから動かなかった。

手を後ろで組み社長をじっと見ている。

下を向いていた社長は何も言わない万珠の方を向いた。

「どうした?」

「大丈夫なの?ってさっき電話した時に聞こえた…」

「ん?俺が?」

「違う…安達さんの声がしたけど?」

「たまたま一緒の場所に昼メシを食いに行ってただけだ」

「たまたまなの?」

「あぁ、約束はしていない、2人ともお気に入りの店でよく会うんだよ」

「はぁ…万珠って心が狭いのかな…」

「どういう事だ?」

万珠は朝に車で時間を潰していた時に安達さんに見られていた事を話すと慧介の車の鍵を返した。