エイプリルフールの死んだふり






 私は長い夢を見ていた。



 彼が、悟君がわたしに呼びかける声。



 こっちに戻って来いと叫ぶ夢。


 ずっと足が動かなかった。


 彼の方に足を突き動かすことが出来なかった。



 だけど、


 ある日足が動いた。


 彼の元に戻ってこれたのだ。


 その瞬間、悟の顔が見えた。

 悟の表情を見て、わたしはほっとした。


 死んだふりという事にしたけれど、車が突っ込んでくるなんて、予想だにしてなかった。

 だけど、それをふくめてドッキリという事にしたら、悟くんは見事に笑ってくれた。


 えへへ、良かったあ。

 悟君が泣いてくれて。


 そして、私を心配してくれて。


 そして、最後は笑ってくれて。