ぽかーんって。
「それがどうした?」
みたいな顔を見せるから困る。
半年間の臨時当主の私には飛鳥程の権力はないから頭を下げられるだけ。
なるべく強くならないように、
優しい姉を目指して注意してあげたら、笑われた。
……え?
飛鳥が笑った!?
「姉さんは立派な当主です」
そう言ったら、目の前で膝を着く飛鳥。
そのまま流れる動作で右手を掬われる。
「白姫(しらひめ)のご加護があらんことよ」
代々当主に向けて送られる言葉。
この言葉を送られたということは当主として認められたということ。
「……ありがとう飛鳥」
「はい、姉さん」
私に姫条家の加護なんてない。
血の繋がりもなければ、大切な飛鳥を虐めていた奴の娘だもん。白姫になんかとっくの昔に見捨てられている。
でも飛鳥が。
飛鳥だけでも認めてくれた。
それが何よりも嬉しかった。



