「ちょっと飛鳥!さすがに失礼よ」
「少し顔色が優れません。一度倒れているのです、気をつけてください」
「そんなのわざわざ飛鳥に言われなくても……──うわぁぁぁ!!」
ぐわんと体が揺れたかと思ったら視界が反転。
ちょっとまって飛鳥!びっくりした!!
お姫様抱っこ……されるなんて……!!
「重いから下ろして!!落ちちゃう!!」
「大丈夫です。いいから大人しく運ばれてください」
「私もうハタチ……。飛鳥より大人なんだけど」
「……」
私の反論は、綺麗に無視された。
……この人、ほんとうに聞く耳持たない。
どんだけバタバタ暴れても一向に下ろして貰えないから素直に運ばれて。
部屋に着いたらベットに降ろされた。
「大人しく休んでください」
そう言い残したら、こっちの意見なんて聞かずにバタンと扉が閉められた。
この横暴野郎め。
なんて一人で文句をぽつりと吐き捨てたのに。
気づけば、数分後にはすっかり夢の中だった。



