「意外と泣かないなぁー」
空が曇っている。
サイテーな娘だってわかっているけど、不覚にもぴったりだな、なんて思っちゃった。
母と父の葬式。
これでも立派な名家の当主と後妻の葬式だから、それはそれは大変だった。
絶対に20歳の私が担える仕事量じゃないっつーの!!
なんて文句も言える人もいない。
黒い服に身を包んで、頭からベールを落とす。
今、私がここにいることを快く思っていない人は何人いるだろう。多分全員だろうけど。
姫条家と血の繋がりのない娘なんて邪魔で仕方ないだろうなぁー。
でも、安心してください皆さん。
ちらっと視線を外した先。
紺色の王立アルリス学園の制服を身にまとった彼こそが正真正銘の姫条家の跡継ぎ。
─────姫条 飛鳥(きじょう あすか)



