「─────姉さん。美世叔母さま」
「……!!」
空気を切り裂くように低い声が割り込んできた。
さっきまでの温かさなんて、一瞬で引くような声。
驚いて叔母さまとふたりで振り向く。
そこには、
いつの間にか開かれた扉と上品に手袋を外す飛鳥がいた。
「お久しぶりですね、叔母さま」
「えぇ。飛鳥は元気にしてた?」
「はい。ご心配には及びません」
まっすぐに私に向かってくる。
そして隣に並ぶと肩を抱かれた。突然のことに、わずかに息が詰まる。
「飛鳥……!!」
びっくりした。
抱きしめられるかと思った!!
「随分長く話されたようですね」
「ふふっ、そうね。話し込んでいたらこんな時間になっちゃってたわ」
「では、もうお疲れでしょう。姉さんを部屋に戻らせてもよろしいですか?」
「もちろんよ」
全く2人の話には入れず、何も分からないまま無理やり体の向きを変えられて。
美世叔母さまに挨拶する時間もなく、飛鳥に引きずられるようにロビーを後にする。



