確かに、言われてみると……。
飛鳥は私が倒れたって聞いた時、少しは心配してくれたかな?
──────気づいたら、目の前に飛鳥が現れた。
びっくりして、思考が止まる。
「仕事が大変そうだったので帰ってきたんです。どうか私に手伝わせて下さい」
「……うん、わかった」
頷くと、ふっと飛鳥は笑った。
そしたら肩にいつの間に持っていたのか、ふわっとストールがかけられた。
飛鳥ってマジシャンなの?
いつもどこから物を取り出しているのかしら?
「なぜいつ見ても薄着なんですか?」
「薄着のつもりはないからね」
今日は少し雨が降っている。
だからいつも以上に冷え込んでいて、確かに少し肌寒かった。
どうやったらこんなに紳士に育つんだろう?
10年も見ない間にたくましくなっててびっくり。
「体に障ります。中に入りましょう」
「そうだね」
パラパラ傘に当たる雨音を聴きながら、
飛鳥と二人で屋敷に入った。



