胸の奥が熱いのに、冷たい。
好きとか、憧れとか、悔しいとか、うまく整理できないまま、いろんな感情がぐちゃぐちゃに混ざっていた。
コマーシャルに入ったタイミングで、八神さんが遊里君と真央君に声をかける。
「遊里、真央、着替えて!タクシー呼んである!」
「えぇ~~!!」
「だってまだ番組終わってないし~!今日の衣装、写真も撮ってない~!」
「写真はあとで送る。はい、急いで!」
「ぐぬぬ……!」
「あーあー、早く誕生日来ないかなーー」
二人が未練たらたらに袖を通しながら、文句を言いステージから降りていった。
番組が進むにつれて、最初の緊張は少しずつ解けていった。
だけど、私の胸の奥はずっとどこか落ち着かなかった。
さっきの元カノさんとセナ君は、視線が交わることも一切なく。
前回みたいにトークで絡んだりもせず、淡々と番組は進行する。
それが余計に、二人の関係性を浮き彫りにしたようにすら感じてしまった。
どうして別れちゃったんだろう……
もしあんなふうに言われたら……
私なら、こんな笑顔で歌なんか歌えない。
そう思ったら、だんだん、あんな酷い態度を取るセナ君に対して、もやもやがむかむかに変わっていくのを感じてしまった。
もしかしたら、あの笑顔も、作られたものだったのかもしれない。
じゃあ、あの人だって……
本当は、少し傷ついていたのかな。
そう考えたら、急にセナ君のことがわからなくなった。
私の前で見せる顔も、ステージの上の顔も、さっき廊下で見た顔も。
どれが本当で、どれが違うのか、もう何も自信がなくなってしまう。
番組が終わって、みんなの楽屋に戻る。
この後も、怜央さんと信さんがラジオの放送があるとか、次の仕事の話が耳に入る。
私は努めて明るく声をかける。
「みんなお疲れさまでした。格好良かったです!みんな着替えもあるかと思うので、私は帰りますね!」
本当は、もっとちゃんと一人ひとりに感想を言いたかった。
あの振りが良かったとか、あのカメラ目線がすごかったとか、ステージの切り替わりで鳥肌が立ったとか。
でも今は、そんなふうに笑って話せる自信がなかった。
用意していた言葉を、息継ぎもせずに一気に吐き出す。
やばい……
不自然すぎたかな……
みんながきょとんとして私を見る。
「待てよ!あの……オレ送ってっから……」
「いえ、電車を使うので結構です!!!」
思わず、ぴしゃりと言い切ってしまった。
荷物を取り、ドアの前で大きく頭を下げて、部屋を出る。
「あれは、母親似だな……」
椿さんの声が聞こえた気がしたけれど、振り向きもせず、楽屋を後にして電車に飛び乗った。
だって……
あれ以上、あの場にいたら……
セナ君に、元カノのことを。
何があったのかを。
根掘り葉掘り聞いてしまいそうな自分に気づいてしまって、止められなかったんだもん……
好きとか、憧れとか、悔しいとか、うまく整理できないまま、いろんな感情がぐちゃぐちゃに混ざっていた。
コマーシャルに入ったタイミングで、八神さんが遊里君と真央君に声をかける。
「遊里、真央、着替えて!タクシー呼んである!」
「えぇ~~!!」
「だってまだ番組終わってないし~!今日の衣装、写真も撮ってない~!」
「写真はあとで送る。はい、急いで!」
「ぐぬぬ……!」
「あーあー、早く誕生日来ないかなーー」
二人が未練たらたらに袖を通しながら、文句を言いステージから降りていった。
番組が進むにつれて、最初の緊張は少しずつ解けていった。
だけど、私の胸の奥はずっとどこか落ち着かなかった。
さっきの元カノさんとセナ君は、視線が交わることも一切なく。
前回みたいにトークで絡んだりもせず、淡々と番組は進行する。
それが余計に、二人の関係性を浮き彫りにしたようにすら感じてしまった。
どうして別れちゃったんだろう……
もしあんなふうに言われたら……
私なら、こんな笑顔で歌なんか歌えない。
そう思ったら、だんだん、あんな酷い態度を取るセナ君に対して、もやもやがむかむかに変わっていくのを感じてしまった。
もしかしたら、あの笑顔も、作られたものだったのかもしれない。
じゃあ、あの人だって……
本当は、少し傷ついていたのかな。
そう考えたら、急にセナ君のことがわからなくなった。
私の前で見せる顔も、ステージの上の顔も、さっき廊下で見た顔も。
どれが本当で、どれが違うのか、もう何も自信がなくなってしまう。
番組が終わって、みんなの楽屋に戻る。
この後も、怜央さんと信さんがラジオの放送があるとか、次の仕事の話が耳に入る。
私は努めて明るく声をかける。
「みんなお疲れさまでした。格好良かったです!みんな着替えもあるかと思うので、私は帰りますね!」
本当は、もっとちゃんと一人ひとりに感想を言いたかった。
あの振りが良かったとか、あのカメラ目線がすごかったとか、ステージの切り替わりで鳥肌が立ったとか。
でも今は、そんなふうに笑って話せる自信がなかった。
用意していた言葉を、息継ぎもせずに一気に吐き出す。
やばい……
不自然すぎたかな……
みんながきょとんとして私を見る。
「待てよ!あの……オレ送ってっから……」
「いえ、電車を使うので結構です!!!」
思わず、ぴしゃりと言い切ってしまった。
荷物を取り、ドアの前で大きく頭を下げて、部屋を出る。
「あれは、母親似だな……」
椿さんの声が聞こえた気がしたけれど、振り向きもせず、楽屋を後にして電車に飛び乗った。
だって……
あれ以上、あの場にいたら……
セナ君に、元カノのことを。
何があったのかを。
根掘り葉掘り聞いてしまいそうな自分に気づいてしまって、止められなかったんだもん……
