「はぁぁぁ……ここかぁ……」
タクシーから降りて、目の前に見えるテレビ局を見上げる。
先日、八神さんに会ったとき。
家でTVを見ていて「ライブとCD、テレビでの音の違いが気になる」と話したところ、「良い機会だから」と、週末の音楽番組収録を見学させてもらえることになった。
先日、私とスターライトパレードのLINEグループが作られ、生放送のため午前中からずっとリハをしているらしく……
リハの合間合間にみんながメッセージを送ってくれて、タクシーの中でそれを読んでいたら、思わず声に出して笑いそうになった。
事前に聞いていた通用口へ向かい、学生証を提示する。
ちゃんと手配されていたようで、八神さんが迎えに来てくれて、手渡されたパスを首から下げた。
『GUEST / Risetone 様 関係者』
その文字を見て、なんだか照れくさいような、誇らしいような、妙な気持ちになる。
控室に案内されると、真央君と遊里君はもう衣装に着替え、メイクもばっちり。
信さんと蓮君がメイク中だった。
「お疲れ様です」
「いらっしゃい」
最初に声をかけてくれたのは怜央さんだった。
控室のソファに促され、テーブルの上にはフルーツ、どら焼き、栄養ドリンクが並んでいる。
「あぁぁ!また……差し入れ忘れちゃった!学校から急いできたから……」
「まーた、お前は……いいんだって、そんなの気にすんな」
そう言ったのはセナ君。
話しかけようとした瞬間、椿さんが彼を呼んだ。
「セナ、お客さん」
「誰?」
「いいから行けって」
気だるそうに出ていくセナ君。
少し開いたドアの隙間から、見覚えのある女性の姿が見えた気がした。
今の人って……?
「久々じゃない?あーゆーの」
「何番目だっけ?あの子。四……五番目?」
「真央、遊里、セナが後で怖いよ」
肩をすくめる二人。
聞こえてきた会話に、私は戸惑う。
五番目……って?
怜央さんを見ると、少し困ったように苦笑いをしていて、それ以上は聞けなかった。
なんだか居心地が悪くなって、思わず立ち上がる。
「あの……!ちょっとお手……洗いに……」
その場を逃げるように出てしまった。
似たような部屋が並ぶ廊下で、迷いそうになっていた私を怜央さんが案内してくれる。
すると、人気のない廊下の奥から聞き覚えのある声がした。
「……私、本気だったのに」
「もう、そういうのやめろって」
「本当にもう無理なの?」
「悪いけど、もう興味ない。そういうとこ、ホント無理」
セナ君……?
でも、あの喋り方……本当にセナ君?
怜央さんはばつが悪そうに、そっと口元に手を当てていた。
「この前のもさ、あれ何?プレゼントなんてやった覚えねーんだけど」
「でも……食事行ったじゃない……」
「行ったけど?で?」
「ホテルにだって泊まったじゃない……!」
「はーっ……マジ、ダルッ」
廊下に出てきたセナ君と、目が合う。
「奏……!?え……今の会話……」
セナ君の後ろから、口元を押さえながら廊下を駆け出していく女性の後ろ姿が見える。
目が合ったまま、言葉を失う。
「……わり。先、戻るわ」
足早に去っていくセナ君。
私は追うこともできず、怜央さんと無言で控室に戻った。
タクシーから降りて、目の前に見えるテレビ局を見上げる。
先日、八神さんに会ったとき。
家でTVを見ていて「ライブとCD、テレビでの音の違いが気になる」と話したところ、「良い機会だから」と、週末の音楽番組収録を見学させてもらえることになった。
先日、私とスターライトパレードのLINEグループが作られ、生放送のため午前中からずっとリハをしているらしく……
リハの合間合間にみんながメッセージを送ってくれて、タクシーの中でそれを読んでいたら、思わず声に出して笑いそうになった。
事前に聞いていた通用口へ向かい、学生証を提示する。
ちゃんと手配されていたようで、八神さんが迎えに来てくれて、手渡されたパスを首から下げた。
『GUEST / Risetone 様 関係者』
その文字を見て、なんだか照れくさいような、誇らしいような、妙な気持ちになる。
控室に案内されると、真央君と遊里君はもう衣装に着替え、メイクもばっちり。
信さんと蓮君がメイク中だった。
「お疲れ様です」
「いらっしゃい」
最初に声をかけてくれたのは怜央さんだった。
控室のソファに促され、テーブルの上にはフルーツ、どら焼き、栄養ドリンクが並んでいる。
「あぁぁ!また……差し入れ忘れちゃった!学校から急いできたから……」
「まーた、お前は……いいんだって、そんなの気にすんな」
そう言ったのはセナ君。
話しかけようとした瞬間、椿さんが彼を呼んだ。
「セナ、お客さん」
「誰?」
「いいから行けって」
気だるそうに出ていくセナ君。
少し開いたドアの隙間から、見覚えのある女性の姿が見えた気がした。
今の人って……?
「久々じゃない?あーゆーの」
「何番目だっけ?あの子。四……五番目?」
「真央、遊里、セナが後で怖いよ」
肩をすくめる二人。
聞こえてきた会話に、私は戸惑う。
五番目……って?
怜央さんを見ると、少し困ったように苦笑いをしていて、それ以上は聞けなかった。
なんだか居心地が悪くなって、思わず立ち上がる。
「あの……!ちょっとお手……洗いに……」
その場を逃げるように出てしまった。
似たような部屋が並ぶ廊下で、迷いそうになっていた私を怜央さんが案内してくれる。
すると、人気のない廊下の奥から聞き覚えのある声がした。
「……私、本気だったのに」
「もう、そういうのやめろって」
「本当にもう無理なの?」
「悪いけど、もう興味ない。そういうとこ、ホント無理」
セナ君……?
でも、あの喋り方……本当にセナ君?
怜央さんはばつが悪そうに、そっと口元に手を当てていた。
「この前のもさ、あれ何?プレゼントなんてやった覚えねーんだけど」
「でも……食事行ったじゃない……」
「行ったけど?で?」
「ホテルにだって泊まったじゃない……!」
「はーっ……マジ、ダルッ」
廊下に出てきたセナ君と、目が合う。
「奏……!?え……今の会話……」
セナ君の後ろから、口元を押さえながら廊下を駆け出していく女性の後ろ姿が見える。
目が合ったまま、言葉を失う。
「……わり。先、戻るわ」
足早に去っていくセナ君。
私は追うこともできず、怜央さんと無言で控室に戻った。
