スターライトパレード

私が、スターライトパレードのみんなのために作った……二曲目……

コンペのテーマは「支え」「原点」「感謝」。
自分を形作ってきた『誰か』への想いをテーマにした楽曲。

……ねえ、セナ君。
ドアの向こうにも、私が曲に込めた思い……届いている?
届いていると……いいな……

扉が一枚あるだけなのに、すごく遠い気もしたし、今まででいちばん近い気もした。
顔は見えない。
表情もわからない。
それでも、今だけはちゃんと聴いてくれていると信じられた。

約三分の演奏を終えて、私は玄関前に戻る。

「どう……だったかな?」
「ん……オレ……」

少し沈黙して……

「奏……のピアノが世界で一番好きだわ」

その言葉に、昔の記憶がよみがえる。

『かなねー、ままのばいおりんすきー』
『ふふ……ママも奏のピアノが世界で一番大好きよ』
『いっしょだねー』
『ねー。ずっと一生よ』
『じゃぁさ、かながおとなになったらー……』

…………なんで、こんな大切な思い出、忘れてたんだろう。

ママも、昔はそう言ってくれていた。
私も、疑わずに信じていた。
ピアノが好きな私のことを、ママはちゃんと好きでいてくれるって。

「奏」

扉越しに、セナ君が囁く。

「オレが何とかするから。絶対に離れないから待ってろ」
「……うん……」

私も……セナ君のおかげで、大切な思い出を思い出せたよ。
逃げるんじゃなくて、もう一度ママと向き合おう。
そう思えたのは、たぶんあの言葉があったからだ。