ゆっくりとこちらに歩いてくる皓太さんに、私はどんな顔をしたらいいのか分からずにいると、皓太さんは私の頭をぽんっと撫でた。
「昨日は来れなくてごめんね」
そう言って微笑んだ皓太さんの顔は、いつもと変わらない優しい笑みで、そのことに少しだけホッとして肩の力が抜ける。
「今日はよろしくお願いします」
用意してもらった車椅子に座り、皓太さんと共にお葬式の会場へと向かった。
会場に着いて、入口に立っている人物の顔を見て、私は少し身体が強張ってしまった。
そこには、先日ホテルの前で言い合いになってしまった大和が立っていたから。
「美羽……」
大和はどうやら私のことを待っていたらしく、私に気がつくとこちらに歩いてきた。
「あのさ……今から少しだけ話せない?」
そう聞かれたけれど、ものすごい剣幕で怒っていた大和の姿を思い出して、怖くて手が震えてしまう。
そんな私の様子を見た皓太さんが、後ろからそっと私の手を握りながら、耳元で「大丈夫、話しておいで」と、優しく囁いた。
その言葉と手の温もりで、不思議と心が落ち着いて、大和と話をする決心がつく。
大和の目を見て頷くと、大和は私の後ろに移動して車椅子を押し、人のあまりいない場所へと移動をした。
