愛なんて要らないから



 それからのことは、お酒のせいにするにはあまりにも酔いが足りなかった。

 出してもらったカクテルを飲み、おすすめされたバタピーを二人で静かにつまんで。

 バーの滞在時間30分ほどでお店を出てから、そのまま手を引かれて少しお高めの綺麗なラブホテルに入った。

 貪るように唇を奪われ、シャワーを浴びることなくベッドに雪崩れ込み、この先を迷う隙を皓太さんは与えてはくれなかった。


「美羽ちゃんの唇、甘い」

 それはきっと、さっき飲んだ甘いカクテルのせい。

 だって逆に皓太さんの唇は、ほんのり辛いお酒の味がするから。なんて冷静になれるくらいには、私の意識ははっきりとしていた。


 皓太さんが私に慰めてと言ったように、私もこの人に寂しさを埋めて貰えばいい。

 これはお互い、Win-Winな関係。

 一夜限りの都合のいい寂しさの埋め方を、私はこの人から教わった。