誰かがずっと私の手を握っていてくれた気がする。
その温かい手が、一体誰のものなのか知りたくなって、ゆっくりと目を開けた。
「……美羽?」
名前を呼んで、私の顔を覗き込んでいるのはお母さん。
お母さんに視線を合わせると、お母さんは一瞬だけ泣きそうになり、そのあと慌ててナースコールを押して、私の身体を優しく包み込んでくれた。
「自分でお腹を刺すなんて、何やってるのよ。刺したのが病院じゃなかったら助かっていなかったのよ?」
そっか、私は助かってしまったのか。
あの時、命を失う覚悟で刺した。
悠と一緒にいられる道はこれしかないと思った。でも、それは叶わなかったんだ……。
「ごめ……なさい……」
まだはっきりと話すことのできる状態ではないけれど、それでも目の前にいる今にも泣きそうなお母さんには謝らなければいけないと口を動かした。
「あなたの彼もさっきまで美羽の傍についててくれたんだけどね、仕事の電話があるからって今はここを離れているの。美羽が目が覚めたら連絡くださいって言われているから、連絡を入れるね」
私の、彼……?なんのことだろう。
悠が目を覚ましたなんてことあるわけ無いし、仕事の電話をしている場合でもない。
お母さんは一体、誰のことを言っているの?
