「はる、どうして……っ」
どうして、こんなことになってしまったの?
どうして、もう目を覚まさないの?
悠に聞きたいこと、悠と話したいこと、たくさんたくさんあるのに、どうして。
「あの……事故の当日って、悠は萌ちゃんと一緒に車に乗っていたんですよね?」
私は妹さんに事故のことを聞くと、妹さんの表情が急に強張り、唇をきゅっと噛んだ。
「……はい。どうして二人が一緒にいたのかは分からないんですが」
萌ちゃんの言っていたことは嘘じゃない。
じゃあ、やっぱり二人は……。
「私、萌ちゃんに言われたんです。あの日、悠にプロポーズされたと。自分が婚約者だから、私にはもう病院には来ないで欲しいって」
「あの人がお兄ちゃんの婚約者だなんてあり得ない。だって、あの人は……お兄ちゃんのストーカーです」
今まで穏やかな話し方をしていた妹さんが、少しだけ声を荒げて話したことに私はびっくりした。
「萌ちゃんが、ストーカー?」
「はい。仕事が終わるまで待ち伏せされていたり、会いたいってメッセージや電話が頻繁にきていて、お兄ちゃんも参っちゃってて。だから一刻も早く遠距離の彼女の元で一緒に暮らしたいって、毎日仕事に一生懸命でした」
「そうだったんですね……」
じゃあ萌ちゃんのSNSの投稿は全て嘘?
ちゃんと悠のことを知りもしないで、勝手に裏切られたと決めつけてしまっていたの?
私と悠を別れさせたい萌ちゃんの策略にハマってしまっただけだとしたら、私が毎日違う人と一夜を過ごしていたのは、ただ悠を裏切ってしまっただけ?
だとしたら私、本当に最低だ……。
