「会いたいなら、会いに行ってみたら?」
「彼の意識が戻っているのかわからないんです。それに入院しているとしてもどこの病院にいるのか……」
「その事故ってニュースになってないの?事故がおきた場所さえ分かれば、その近くの大きな病院に運ばれるんじゃないかな」
「あ……たしか地元のニュースになっていました」
悠が住んでいたのは私たちの地元。そこで意識不明になるほどの事故で運ばれる可能性のある大きな病院は一つ。
もし病院に出入りする萌ちゃんを見つけることができたら、そこに悠が入院している可能性は高くなる。
「今日はもう遅いから明日の朝、車を出すよ」
「いえ、そこまでしてもらうわけには……」
「一緒にここに来てくれたお礼ってことで」
皓太さんはそう言って笑い、車から降りると、ぐーっと伸びをしながら真っ暗な海を真っ直ぐみつめている。
私も車から降りて皓太さんの隣に立つと、陸風が後ろから強く吹きつけてきた。
「会いたいと思うなら、会えるうちに会いに行かないと絶対に後悔するから。どんな小さな可能性でも信じて行動した方がいいと思う」
そう話す皓太さんの顔はとても穏やかなのに、私にはどこか寂しそうに見えた。
