これは果たして恋なのか。

…ん?ちょっと待って。
教室に戻った瞬間、わたしはあることに気がついた。
わたしと蒼の弁当袋は同じ。取り違いに気づくには、中身を見なければならない。つまり…なんてことだ!
私は廊下にUターン。幸い、蒼の後ろ姿はそう遠くないところに見える。叫べば十分届く距離だろう。私は大きく息を吸った。
「蒼ーーーーー!!!」
わたしの大絶叫に、蒼がギョッとした顔で振り向いた。もちろん周りの生徒たちも。
「早弁はほどほどにねー!!」
そう憎らしいほどに王子様スマイルを浮かべて叫ぶと、蒼の顔が引きつった。周りの生徒がくすくす笑う。
「蒼くん可愛いー♡」
この仕打ちは相当恥ずかしいだろう。
「う、うん。ありがとう姉さん!」
あはは、あはははは…。
蒼は笑って教室に逃げていった。よし、満足。先程の姉弟喧嘩の決着がつかなくて残念だったのだ。これで今回は私の完全勝利だろう。
席に戻ったにっこにこのわたしに、春夏たちが非難の眼差しを向けてきた。
「「弟くん、かわいそ…」」