これは果たして恋なのか。

振り向くと、蒼がうちのクラスに入ってくるところだった。

「お、弟くんの登場じゃん」

稀有なものを見たかのように、みぞれたちが瞳を輝かせる。
 弟である蒼は同じ学年であるものの、私とはクラスが違う。噂ではよく聞くものの、あまり合わないから珍しいのだろう。

 わたしたちは双子ではない。年子でもない。

親同士の再婚で出会った義姉弟だ。

私は蒼にストップのジェスチャーをした。続いて私が扉の方に行く、とも。他クラス侵入はあまりよろしくない。

「どうしたの?珍しいね、うちのクラス来るの。」
私は疑問を口にして、弟を見た。わたしと蒼の身長はほぼ同じだ。
 蒼が低い訳ではなくて、170はある。高一の男子としては平均的だろう。わたしが女子の中では168センチと高いなのだ。

「どうしたのじゃないよ。姉さん俺のと弁当取り間違えたでしょ。俺こんなちっちゃい弁当じゃ足りないよ。」

蒼が不服そうに掲げた弁当箱は、たしかに私のものだ。

「本当だ。ごめん」

急いで席に蒼の分を取りにいって渡すと、突然囁かれた。

「クラスでも王子様してんの?似合ってねえよ」