これは果たして恋なのか。

わかっているのに、欲が溢れ落ちる。

雛菊が思う“特別”よりきっと、私が雛菊をずっと近くに感じ過ぎてしまったのだ。

「それでも、弟くんとのこと話して欲しかったな…」

あ、やばい、泣く。目尻にじわっと涙が滲み、零れそうになった。

春夏が口を開く。

「ひなぴーはさ、多分意図的に“王子様”やってるよね」

「え…」
ずずっと、自分が鼻水を啜る音がした。
春夏の眼は遠く、雛菊たちに注がれている。

「今日、ららちゃんを優先してるもそれが関係してるんじゃないかなぁ。何か大事な理由があるんだよきっと」

理由か。私たちにはまだ言えない、もしくは意図的に言わない理由。事情。

「ほら、涙拭いて。雛菊たちが戻ってくるよ」
「うん、ありがと」

ぼやけた視界がクリアになると、こっちに向かってくる二人の姿が鮮明になった。


あ、雛菊、アイスを三つも持ってる。

一瞬全部自分で食べるのかと思われたそれは、私と春夏に向けて差し出された。