一方で他の面々は混乱したまま。
私はどうにか皆を落ち着かせ、事情を説明した。
「そうだったんですね……。確かに少し違和感は感じてたけど」
「違和感?」
杉野くんの一言にどきりとした。私たちは何か変だっただろうか。
「あっ失礼だったらすみません。姉弟とは違う独特の空気感があるように思って…。でもちょっとだけです」
冷水を浴びせられたような気がした。
私たちは血が繋がっていない。それでもずっと一緒だったのに。
でも薄々分かっていた。
私たちはきっと、家族になりきれていない。
黙ってしまったわたしを見つめ、蒼が口を開いた。
「たしかにホントの家族じゃない。でも大切に思ってるよ」
わたしをまっすぐ見つめる、蒼の青みがかった瞳。
あまりに真っ直ぐに、そうでしょ、と訴えてくる。
蒼は案じるように微笑んだ。
私は“家族”が欲しかったはずだった。
昔の自分だったら怒っていたかもしれない。
でも、今は違う。
いつからだろう?
蒼の言葉が心地よく、暖かく、じんわりこころに広がったのが、どこか不思議に思えた。


