これは果たして恋なのか。


つまり、雛菊は平穏な家族でいたかった。

 幼いながらに"恋心"がそれから外れていることが、"平穏な家族"を崩してしまうことが何となく分かっていたのだろう。

 俺は雛菊の王子様になりたい。

 でもそれよりも、雛菊が何より大切だった。

 俺は、抱いた情愛を生意気な弟という仮面で閉じ込めた。

 どうか、お前の言う通りにするから。お前の弟でいてやるから。

 どうか、笑っていてくれないか。