【blue】

涼太は2本目の煙草を吸い終わると、左手を離し席を立った。


「おっじゃ、行くね」


何事もなかったように涼太は、あたしから離れて、階段を降りて行った。


あたしはそのまま、ぼんやりしていた。


なんだったんだろう。


ううん、考えなくていいんだ。


あたしの右手にまだ、涼太の感触が残ってた。


それだけで充分だった。