【blue】

「ただいまー」


「お帰り」


雅人は鞄を置き、ハンガーにスーツの上着を掛けた。


「あれ?」


シチューの鍋を覗き込む。



「なんか2人分にしては少なくない?」


「あっ、うん」


あたしがすっとぼけてると流しの方を見た。


「食った?」


「ごめん。ちょっと味見のつもりが…。先、食べちゃった」


「ふっ。いいよ。俺1人で寂しく食うから」


雅人は手を洗いテーブルについた。


「あははー」


あたしは、雅人にシチューをよそった。