【blue】

涼太が漕ぐのを止めたので、しばらくスワンはゆらゆら。

黙ったまま時間が過ぎる。

ふと涼太を見ると、ぼんやりしている。

「涼太…」

「あっごめん。動いてた方がいい?」

あたしは首を振った。

「ふっ。30分だからな。戻る時は必死に漕がなきゃ」


「うん。」

あぁ、いつも思う。ずっとなんて時間はないんだ。

涼太の顔があたしに近づいた。

あたしが驚いて後ろに反れると涼太が笑った。

「…葉っぱ。」

あたしの前髪にいつの間に、葉っぱがついてたみたい。

涼太が取ってくれた。