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公園をしばらく歩いてたら涼太がふと立ち止まった。

「俺、あれ乗りたい」

涼太が指さしたのはスワンのボートだった。

「スワン?」

「うん。スワン」

涼太は大きく頷いた。

スワンかぁ…

あたしと涼太は付き合ってる訳でもなんでもない。

だけどあたしは乗りたくなかった…

井の頭公園のボートに乗ったカップルは別れるって…

どうでもいい事かもしれないけど。

涼太は容赦なくあたしの手を引っ張った。