春になり進級。

やっと、静かな日常に巡り会える。と、思っていた彼はこのクラスに溜め息をついた。


彼の名前は
細羽 純(ホソバ ジュン)
成績優秀。スポーツ万能。オールマイティーの美少年

だが、多少……いやだいぶ心が黒く、毒舌家。魔王とか呼ばれる


そんな彼が窓の外を見ながら本日二回目の溜め息をついた。

「純くーん!!」


「っ!!…」


すると突然、後ろから誰かに乗られ純は思わず顔を机にぶつけた。


「ユ~ウ~……てめぇはいつも、いつも、……人の上に乗るんじゃねぇ!!」


純の上に乗って来た彼。
彼は伊藤 悠(イトウ ユウ)

親父さんがお菓子会社の社長で金持ち

そのせいか、頭が金髪なのに何も言われず…………


ちょっと、と言うかだいぶうるさいムードメイカーだ。


そんな悠を純は振り払い、自分から離そうとしたが、悠はなかなか離れない。

純は頭に怒りマークを浮かべ、思いっきり悠の腹にヒジを入れた。


「うお゛……」


それは見事、ツボに入り悠は痛がりながら後ろへ下がる…。


「純君…酷い……」

「お前がしつこいのが悪い」


冷たい純に悠はぷぅと、頬を膨らませ、更に寄りかかった。