友達の部屋で、彼女の裏アカを見つけてしまった。
「あ、お茶なくなった!」
「もっと飲む?」
「お菓子もほしいなぁー。もっと甘いの」
「りょうかいー。ちょっと待ってて!」
散らかったスナック菓子の袋をテキパキと片付けて、その子が部屋を出て行った直後。
探してなんていない。たまたまXのオススメタイムラインに流れてきた先輩のポストを見つけただけだ。
一日前のポスト。最初は、Xって最近時間にルーズだよなと思っただけ。
それから気になって、返信先のアカウントを見る。
知らない鍵アカだ。でもどこか引っかかって、目を細めて凝視する。しばらくして、「あ、」と気づいた。
いま、お茶をとりにいった彼女。私と繋がっているあの子のアカウント名と、アンダーバーの後ろが一緒だ。
――つまり、これは、あの子の鍵アカ?
先輩の楽しそうなポストからして、そうかもしれない。
でも、私は聞いていない。
知らない間に落とし穴の真ん中に足を乗せていたみたいな、不快感に顔をしかめる。
友達だからって、全部を教え合わなきゃいけないわけじゃない。
でも。
私の指先が無意識にアカウントをコピーしていた。検索する。
一気にざっとスマホ画面いっぱいに表示されたポストに、小さく息を飲み込んでいた。
――間違いない、これは、あの子の鍵アカだ。
先輩。共通の友達。
私とも繋がっているアカウント達は鍵がかかっていない。だから、あの子の鍵アカとのやりとりが、あけっぴろげに晒される。
先輩のポストをクリックした。
歯抜けのやりとりがすぐさま、あっけなく表示される。
【あいつ、遠慮しらないから】
【図々しいんだよねぇ】
【君はエライって。友達やってあげてて、立派だって!】
【あんな馬鹿と同じにならなくていいんだよ!】
これ、悪口だ。
私の。
理解して、瞬間、スマホの画面を戻していた。
途端、先輩以外のポストたちが一斉に画面の外にあふれ出てくるみたいに、私の目に突き刺さってくる。
【家に呼ばれるならお菓子ぐらい持ってこない?】
【乞食乙】
【家でいいもの食べてないんだよ】
廊下を歩くあの子の足音が部屋の前で止まった。
ドアが、コツンっと蹴飛ばされたような音をたてる。
「お菓子いっぱい持ってきちゃったから、両手塞がってるんだ! ドアあけて!」
明るい、いつも通りの声だった。
「あ、お茶なくなった!」
「もっと飲む?」
「お菓子もほしいなぁー。もっと甘いの」
「りょうかいー。ちょっと待ってて!」
散らかったスナック菓子の袋をテキパキと片付けて、その子が部屋を出て行った直後。
探してなんていない。たまたまXのオススメタイムラインに流れてきた先輩のポストを見つけただけだ。
一日前のポスト。最初は、Xって最近時間にルーズだよなと思っただけ。
それから気になって、返信先のアカウントを見る。
知らない鍵アカだ。でもどこか引っかかって、目を細めて凝視する。しばらくして、「あ、」と気づいた。
いま、お茶をとりにいった彼女。私と繋がっているあの子のアカウント名と、アンダーバーの後ろが一緒だ。
――つまり、これは、あの子の鍵アカ?
先輩の楽しそうなポストからして、そうかもしれない。
でも、私は聞いていない。
知らない間に落とし穴の真ん中に足を乗せていたみたいな、不快感に顔をしかめる。
友達だからって、全部を教え合わなきゃいけないわけじゃない。
でも。
私の指先が無意識にアカウントをコピーしていた。検索する。
一気にざっとスマホ画面いっぱいに表示されたポストに、小さく息を飲み込んでいた。
――間違いない、これは、あの子の鍵アカだ。
先輩。共通の友達。
私とも繋がっているアカウント達は鍵がかかっていない。だから、あの子の鍵アカとのやりとりが、あけっぴろげに晒される。
先輩のポストをクリックした。
歯抜けのやりとりがすぐさま、あっけなく表示される。
【あいつ、遠慮しらないから】
【図々しいんだよねぇ】
【君はエライって。友達やってあげてて、立派だって!】
【あんな馬鹿と同じにならなくていいんだよ!】
これ、悪口だ。
私の。
理解して、瞬間、スマホの画面を戻していた。
途端、先輩以外のポストたちが一斉に画面の外にあふれ出てくるみたいに、私の目に突き刺さってくる。
【家に呼ばれるならお菓子ぐらい持ってこない?】
【乞食乙】
【家でいいもの食べてないんだよ】
廊下を歩くあの子の足音が部屋の前で止まった。
ドアが、コツンっと蹴飛ばされたような音をたてる。
「お菓子いっぱい持ってきちゃったから、両手塞がってるんだ! ドアあけて!」
明るい、いつも通りの声だった。
