中学生活最後の修学旅行。私はインフルエンザで欠席し、一人寂しく自分の部屋で寝込んでいた。
夜の十時。枕元のスマホが震えた。仲良しグループのリーダー、美咲からのビデオ通話だ。
「……もしもし、美咲? みんな今どこ?」
『ヤッホー! 今ね、夜の自由行動中だよ! 見て見て、超きれい!』
画面に映った美咲は、なぜか顔が真っ白で、髪が少し乱れている。
背景には、山奥にある有名な『縁結びの巨岩』が映っていた。
「いいな。夜なのに、すごく明るいんだね」
画面越しに見える岩肌は、強力なスポットライトを浴びたように白く光り輝いている。
『そうでしょ? ほら、男子たちもみんなテンション上がって叫んでるよ!』
背後からはクラスメイトたちの「おーい!」「こっちに来いよー!」という、耳を刺すような高い叫び声が絶え間なく聞こえてくる。
「……なんか、みんなの声、変だよ? 笑いすぎじゃない?」
『そんなことないよ! みんな、これを楽しみに待ってたんだもん。あ、先生が来た。また明日、学校で会おうね。お土産、たくさん買っていくから!』
通話が切れる直前、画面がぐにゃりと歪んだ。
美咲の笑い声に混じって、バリバリバリ!という金属が引き裂かれるような凄まじい音が響く。
一瞬だけ画面に映ったのは、真っ暗な地面に、飛び散った「真っ赤な……紅葉」のようなものだった。
私は少し安心してお粥を食べた。
みんな楽しそうでよかった。明日の朝には、熱が下がるといいな。
ふと気になって、テレビのニュースをつけた。
『速報です。本日午後九時すぎ、修学旅行生を乗せたバスがガードレールを突き破り、崖下へ転落しました。乗客は全員……』
画面には、大破して炎上するバスの残骸が映し出されていた。
夜の十時。枕元のスマホが震えた。仲良しグループのリーダー、美咲からのビデオ通話だ。
「……もしもし、美咲? みんな今どこ?」
『ヤッホー! 今ね、夜の自由行動中だよ! 見て見て、超きれい!』
画面に映った美咲は、なぜか顔が真っ白で、髪が少し乱れている。
背景には、山奥にある有名な『縁結びの巨岩』が映っていた。
「いいな。夜なのに、すごく明るいんだね」
画面越しに見える岩肌は、強力なスポットライトを浴びたように白く光り輝いている。
『そうでしょ? ほら、男子たちもみんなテンション上がって叫んでるよ!』
背後からはクラスメイトたちの「おーい!」「こっちに来いよー!」という、耳を刺すような高い叫び声が絶え間なく聞こえてくる。
「……なんか、みんなの声、変だよ? 笑いすぎじゃない?」
『そんなことないよ! みんな、これを楽しみに待ってたんだもん。あ、先生が来た。また明日、学校で会おうね。お土産、たくさん買っていくから!』
通話が切れる直前、画面がぐにゃりと歪んだ。
美咲の笑い声に混じって、バリバリバリ!という金属が引き裂かれるような凄まじい音が響く。
一瞬だけ画面に映ったのは、真っ暗な地面に、飛び散った「真っ赤な……紅葉」のようなものだった。
私は少し安心してお粥を食べた。
みんな楽しそうでよかった。明日の朝には、熱が下がるといいな。
ふと気になって、テレビのニュースをつけた。
『速報です。本日午後九時すぎ、修学旅行生を乗せたバスがガードレールを突き破り、崖下へ転落しました。乗客は全員……』
画面には、大破して炎上するバスの残骸が映し出されていた。

