兄とあたし

 今日は、高校の物品販売の日。
 あたしは母親と行って、買い物スタート。
 買い物を進めて分かったこと。
 何でもかんでも規定がある!!
 カッパまで規定!!
 しかも、カッパそれなりに大きい…。
 流石私立といったとこだろう…。
 ベスト、カーディガン、バッグ、ローファーは2色から選べたので、あたしは人気の方を選んだ。
 次に、制服合わせのとこに行った。
 ウェストを測られ、制服のスカートのサイズを見て、母にデブじゃん。と言われた。
 胸にグサっときたけど、販売してる先生が、アジャスターがついてるので、大きく感じるだけで、標準ですよ。と言ってくれた。
 全ての買い物が終わると疲れた上に、買い物がありすぎて、大荷物で帰った為、かなり疲れた。
 入学式の日。
 義父と母は、世間体の為に参列してくれた。
 入学式が終わってから、外に出ると、6年の時の恩師が、隣の小学校に転勤してきていたので、同じ小学校出身のみんなで囲んだ。
 その中には、Tちゃんもいた。
 Tちゃんとは、疎遠になっていたし、違う学校を受けてたから安心していたのに、まさかの同じ高校…。
 イヤな予感はしていたけど、別クラスだったので、そこは安心していた。
 義父は、S校に通ってるあたしを自慢の娘のように周りに話し始めた。
 有名私立校だったから、さぞ、鼻が高かったんだろう。
 今まで、大切に育てた!みたいな顔をしているのが、本当に嫌いだった。
 中学の時、部活に興味なくて、帰宅部だったけど、演劇部があると聞いて、見学に行ってみた。
 行くと、同じクラスのNちゃんが居て、楽しく見学出来た。
 聞けば、彼女はミュージカルを長いことやっていたらしい。
 次の日、まだ、部活どこにするか悩んでいたけど、足は演劇部に向いていた。
 部室に入ると、先輩達は、既にあたしの名前を覚えてくれていて、それが嬉しくて演劇部に入った。
 6月の大会に向けて、練習が始まった。
 演劇部は文化部とされてきたけど、文化部なんかじゃなかった。
 校舎の周りを20周や、片足で屈伸させられたりしていた。
 文化部と運動部では、自転車の置き場が違って、運動部の方が校舎の近いところに置くことができた。
 あたしは、演劇部での運動量を報告し、運動部扱いにしてもらった。
 友達のWちゃんとYちゃんに、どうやって、運動部の方に置けるようになったの?!と聞かれ、直談判の話しをした。
 義父は、部活がない日にあたしを連れ出し、鼻高々に自慢していた。
 義父の自慢材料になるために、S校に通わされていると思った。
 部活の方では、初めてながら、重要な役柄で、出番もセリフも多かった上に、パントマイムが1番多い役をいただいた。
 台詞の言い方とか、パントマイムや、先輩とのパントマイムの人形の取り合いなんかを、何度も何度も練習していた。
 でも、取り合うのは先輩…。
 しかも、3年生…。
 中々、上手く取り合いが出来ずにいた。
 ある時、2年の先輩が、ぬいぐるみを柱に括り付けて、奪い合いの練習したら?と助言してくれ、帰ってからも、部屋で練習を続けた。
 毎日、練習は22時過ぎまでやるのが当たり前で、お昼ご飯の時間から、かなり経っていたので、WちゃんとYちゃんと晩ご飯前のご飯を食べに行っていた。
 S校には、よく分からない校則があった。
 友達同士だけで外食禁止。
 但し、持ち帰りにして、駅で食べるのはOK。
 もしくは、保護者がいればOK。
 理由は、お店で食べるのは、品位に関わる。とされていた。
 どう考えても、持ち帰りのものを駅で食べる方が、品位に関わる気がして、納得していなかった。
 そんな校則も、腹ペコには守れるわけなく、部活後には外食していた。
 部活に入ってからは、部活で家にいる方が少なく、家に帰りたくない、あたしにとっては天国だった。
 大道具なども自分たちで制作していたので、DIYが得意になった。
 衣装は、衣装部屋に沢山あったけど、自分の役にあった服を着るのがいいと思ったので、何度か私服を持って行ってたりした。
 先輩が、この間の服が1番役に合ってる。と言われたので、それに決まった。
 その服は、従姉妹からのお古で、150㎝の子供服で、ブルーのセーラー服だった。
 6月の大会の会場は、高校とあまり離れてなくて、あたし達は歩いて小道具や、自分達の荷物を持って、会場に行った。
 メイクやヘアーセットは、高校でやって、そのまま会場に行っていた。
 流石に、大道具は先生が運んでくれた。
 ここで、我が校の謎のルールが存在していることを教えられた。
 それは、公立とは話さないことと、話すなら私立だけと決められていること。
 理由は、公立は、勉強もしながらの部活だから、部活をおろそかにしている。と言う謎理論…。
 もう1つが、大会が済むまで、炭酸のものを飲んではいけないこと。
 これは、炭酸は発声に良くない。と言う理論から決まっていた。
 他校の私立校の子と仲良く話していたら、あたし達の練習する時間になった。
 大道具を運び入れるのも自分たちでだったので、運び入れる時間、練習、大道具撤去まで、一連の流れをやってみた。
 練習は上手くいき、寛いだり、私立の人と話したりしていた。
 本番は明日。
 明日が楽しみなのと、不安なのと、入り混じっていた。
 迎えた本番。
 段々、順番が来ようとしていて、緊張とピリピリ感を肌で感じていた。
 あたしはYちゃんと居て、楽しく話して、緊張を和らげていた時、ただ、他の部員達の方で事件が起きていて、Yちゃんとあたしは急遽呼ばれた。
 あたしとYちゃんは、すぐに戻って状況を確認できないまま、ピリピリ感の中にいた。
 のちに知ったことなんだけど、Nちゃんが本番の緊張からか吐血したらしい。
 吐血したことを知ったのは、Nちゃんが辞めてからだった。
 本番も上手くいき、あたしが、インタビューに答えることになったけど、大道具を運んでいて、インタビューに出れなかった。
 6月の大会が終わってから、Nちゃんのことを先輩達が話し合ったらしく、Nちゃんは舞台に立てなくなった。
 元々、ミュージカルを長年やってきた彼女にとって、役者を降ろされ、裏方なんてプライドが許せる人じゃなかった。
 当然、Nちゃんは退部した。
 9月は文化祭があって、何故か、演劇部の部員達が、ライブの機材を運ぶことになっていた。
 しかも、その機材1つ1つが、かーなーり重いっ!
 文化祭中も、体育館で照明係だったので、演劇部だけ真っ黒なTシャツに真っ黒なジャージ姿で、順番に文化祭を回ることになっていた。
 あたしのペアはYちゃんだった。
 あたし達の番になると、急足で全てのお店を周り、欲しいものは買って、照明のとこに戻った。
 先輩達が照明してくれてる間に、2人でもぐもぐタイムをしていた。
 文化祭後の機材は、業者が片付けてくれた。
 それなら、設置もしてよ!と思った。
 10月の大会は、全国大会に行ける権利をもらえる重要な大会。
 あたしは、この時、音響をすることになった。
 今回の作品は、先輩の作った作品。
 演劇部の子が妊娠してしまって、それが周りにバレて、赤ちゃんをどうするかとか、学校をどうするかとかを主人公と周りの変化を書いたものだった。
 意味深い作品だったけど、結果は、落選…。
 でも、悔いはなかった。
 全国大会に進めれたのは、あたしが入りたかった高校のM校で、S校にしかお金を出さない!と言った親を憎んだ。
 2年になってから、クラスの人からいじめられるようになった。
 理由は分からなかったけど、首謀者はこの人だろうな…。って言うのはなんとなく分かっていた。
 教室に入るのが怖かったので、保健室登校したり、部室で時間潰したりして、部活だけ出るようにしていて、顧問には許可を取っていた。
 だけど、高校は単位制…。
 そんな生活も長くは続かなかった。
 担任からは、6時間目の終わり15分前に教室に行ってくれ。それか、15分だけ、好きな時間に来て、クラスにいてくれ。と言われた。
 それだけ出ると、出席日数が取れるからと。
 あたしは、行きたい時間に行って、帰りたい時間に帰るようになった。
 このいじめの首謀者は、やっぱりNちゃんだと確信した。
 登校すると、Nちゃんは、海外ドラマの話しで盛り上がれるのは、えりちゃんだけだから、学校に来てほしい。と懇願されたが、こっちからすると、首謀者が何言ってんの?状態。
 2年で修学旅行に行く我が校は、10月に北海道に行った。
 本当は、行きたくなかった。
 判別行動がイヤだったし、寝るのも一緒って言うのがイヤだったから。
 1日目は、夜景を見に行こう!となり、バスで移動中、キタキツネに会えた。
 バスの運転手さんが、キタキツネが観れるのは、中々ないですよ。と言った。
 みんな、一眼でも見ようと必死…。
 夜景は、本当に綺麗で、有名なだけあるな…。と思った。
 夜景をバックに写真を撮ったら、まさかの心霊写真で驚いた。
 ホテルに帰ると、何とも高級なホテルだった。
 シャワー室も2つ着いていて、どっちに入ろうか悩むくらい、2つとも綺麗で、どっち使うか迷った。
 こうして、1日目終了。
 2日目の朝食は、バイキング。
 和洋食だったので、色んなのをとって食べた。
 初日は、クラスの人と回ったけど、2日目から、Yちゃんと回ることにした。
 元々、Yちゃんも、半行動してなかったらしく、仲のいいメンバーで回っていたらしい。
 それからは、楽しい修学旅行になった。
 クラスのみんなも、あたしがいないことで、先生から何も言われなかったみたいで、あたしを探しに来るなんてこともなかった。
 修学旅行のお土産も、沖縄か東京に行った人の分をみんな買ってたけど、あたしはそんな必要なかった。
 一応、義父、母、祖母、弟の分だけ買ったのと、親戚のはお菓子の詰め合わせを買った。
 残りのお金で欲しいものを存分に買いまくった。
 修学旅行から帰ったら、Yちゃんが、一緒に食べよ。と誘ってくれ、Yちゃんのクラスで食べることになった。
 それでも、他の人の目が気になり、演劇の練習場所で食べたりもした。
 部活は顧問が、このままでいいから続けてくれ。と言われたので、それを続けていたら、Nちゃんが、先輩にチクって、部長から、来ないで欲しい。と言われてしまった。
 だから、4時限目の終わり15分前に行って、お弁当食べて、帰っていた。
 3年生からは、自分の目標に合った、コースを選べることになり、あたしは保育士を選んだ。
 すると,Nちゃんも同じ保育士を目指すコースにいた。
 Nちゃんは、子ども嫌いで、鳴き声聞いただけで、殴りたくなる。と言っていたほどの子ども嫌い。
 信じられなかった。
 本気で保育士にならないで欲しいし、将来子どもを作ってほしくないとも思った。
 3年になってから、いじめは無くなったので、2年の時に一緒だった子に真相を聞いた。
 首謀者はNちゃんで、教室の中から教科書が無くなったり、鏡が割れたり、体操服がなくなったり、教室で何か起こる度に、あたしがやったことになっていたらしく、そんなことやってない上に、そんなことになってることも知らないあたしは、当然謝らないよね。
 謝らないから、周りから何で謝らないの?となって、いじめられていたらしい。
 あたしは、やってないし、やったの?って聞かれてないし、弁明の余地もなく、いじめられていたことが分かり、Nちゃんを詰めようかとも思った。
 だけど、そんなことしても、自分の気持ちが収まる訳ではないので放置した。
 いじめの理由になったのは、Nちゃんが、退部する時に何も言ってくれなかったから。だった。
 吐血したことも、先輩達の話し合いも、知らなくて、ただ、Nちゃんが辞めただけ聞いてたのに、八つ当たりのような理由で、いじめかよ!って思った。
 しかも、Nちゃんは、中学の時にいじめられていて、高校を他県の我が校を選んだと聞いていたから、いじめられる恐怖を知っておきながら、人の事いじめてたんだと思うと、将来の夢が潰れればいい。と悪魔な考えがよぎった。
 Mちゃんの本当の夢は、FBIになることだった。
 でも、英語力が足りなくて、早々に諦めたらしい。
 その次に思い立ったのが、保育士だったと聞かされた。
 泣いただけで、殴りたくなる人は、保育士に向いてないけどね。
 あたしと対立していたJちゃんも保育士志望だったらしく、性格の悪いJちゃんに見られる子ども達のことを心配した。