私が恋してしまった忘れられないあなたへ

今日から夜はキャバ嬢として頑張っていこう。そう思いながらヘアメイクをやってもらっていた。

そんな時
『いらっしゃいませー』
もう、お客さん来たんだ。

ヘアメイクが終わってすぐ
『てぃあらさーんお願いします。2人組でフリーの方です』
『はい』

私『こんばんは、みくです。お願いします』
彼『こんばんは』
私『初めまして、キャバクラはよく来るんですか』
彼『10年ぶりなんだよね、』
私『えっ、10年ぶりなんですか?!私は今日が本入初日なんです!えっなんで10年ぶりなんですか』
彼『えっ1日目なの?!俺はね、誰と飲んでてもその人に楽しんで欲しいから、キャバクラきても自分が楽しませちゃうのが嫌で10年間来てなかったんだよね!でも、今日はお祝いで行こうか!ってなってたまたま10年前に来たキャバクラあるかなぁって来たら無くなっちゃってたんだけど、このお店に可愛い子いるって言われてあなたの可愛いと俺の可愛いは違うよねって言ったんだけど一生懸命に進めるから来たんだよね!』
私『えっそうなんだ!可愛い子いましたか?笑』
彼『うん、みくちゃんめちゃくちゃ可愛い。正直可愛いか無かったら帰ろうとお金投げて帰ろうと思ったけど可愛すぎて恋しそう』
私『ありがとうございます』
彼 耳元で『ありがとうございますじゃなくてありがとうの方がいいよ!お客さん距離感じちゃうから』
私『ありがとう、』
彼『本当に可愛いすぎる』

しばらく楽しく話してると
『みくさーんお願いします』

私『ここにいてもいいですか?』
彼『どうしたらここにいれるの?』
『場内指名したらいれるよ!』
彼『場内指名っていくらなの?』
『3300円かなぁ』
私『いてもいいですか?』
彼『みくはいいよ!』

しばらくして
『みくさーんお願いしまーす』
彼『あ!みくは俺ので』
『場内ですか?』
彼『はい』
『分かりました!ありがとうございます』
私『ありがとうございます』
彼『電話番号教えたいんだけど、LINEやってなくて』
私『あ、いいですよ。はい』
彼 打ちながら『バレるの怖くて』
あ、奥さんだよね。指輪つけてるもんね

しばらくして
『そろそろお時間ですが、どうしますか?』
彼『金額どうなるんですか?』
『こちらです』
彼『負けてくれませんか』
しばらく繰り返して
彼『じゃあ1時間で』

結局なんだかんだで4時間半くらい居てくれた。キャストドリンクも何回か入れてくれた。スキンシップも結構たくさんした。めちゃくちゃ楽しかった。本当は楽しませる側じゃないといけないのは心のどこかで分かっていた。この人もそれが嫌で10年前から来なくなったって言ってた。
『好きです』『可愛すぎて本当無理』『可愛い』『本当に好きにちゃいそう』『安心してストーカーにはならないから』『ダメだ俺の負けだ』『キスしていい?』『親権どうしようか本気で考えちゃった』彼の言っていたことまだまだあるけど全部覚えてる。一つ一つの仕草や顔も。俺の負けだって言ってけど多分その時はもうすでに私が好きになってしまっていた。もちろんその人が結婚してることも、その場だけのノリなのも、お酒が入ってるからなのも心のどこかでは分かってた。

でも、今でも忘れられない出勤前は必ず思い出す私の初めてのお客さん。『また、10年後』とか言ってたけど、私が無事に学校を卒業してキャバ嬢を卒業するまでにいつかは来てくれたらなっていつも頑張ってます。この話もっと強くなるために売れるために前に進むためにも今日で忘れようと思って書いてた、でももしもあなたが読んでくれたらってどこかで思ってしまっていた。書いてるうちにまた思いが強くなってしまった。でも、多分もう会うことができないあなた。でも、もし会えたらあの時はありがとう。あなたが初めてのお客さんで本当に良かったって伝えたい。『ありがとう』(会いたい)