悪役のひとりごと

私はただの司書。たくさん居る司書の中の1人。


でも、私も普通の女の子。普通に恋もする。


毎日夕方にやって来るあの人。


初めて見た日から、私はあの人の横顔に釘付けになった。


外が暗くなっても本を読んでいた冬の日。

ランタンを手にお見送りした閉館時間。

村の収穫祭のバザーに来てくれた秋の日。

おすすめの本を教え合った開館時間。

図鑑を片手に花を植えた春の日。

日差しが照りつける中わざわざ来てくれた夏の日。


全部全部、私の大切な思い出なんだよ。







だからさ。














私が居なくなっても、本を好きで居てね。






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「おい!おい、司書さん!しっかりしろ!
…チッ。魔女狩りなんて…司書さんは魔女なんかじゃねぇのに…あいつら…!!」


あぁ、泣かないで。私の大好きな人。


「待ってろ。今、応急処置の方法を調べるから…!!!」


彼の手に自分の手を重ねた。首を横に振る。


「あり…がと…」私が居なくなっても…本を好きで居てね。



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その日、『知性の魔女』が魔女狩りによって処分された。ひどく幸せそうな顔だった。