来年も、君と桜を。

放課後。


目を覚ますと、保健室には誰もいなかった。

さっきよりも、体は少しだけ軽い。


「帰ろ……」


そのときーー


「起きたか」

低い声。


びくっとして振り向く。

そこにいたのは、


「……なんでいるの」


あの男子だった。

窓際の椅子に座って、こっちを見ている。


「別に」

またそれ。

「暇だっただけ」

そう言いながら、立ち上がる。


「帰れんなら帰るぞ」


まるで当たり前みたいに言う。


「……なんで一緒に帰る前提なんですか」

少しだけ睨んでみても、

「一人でまた倒れられても困る」

淡々と返された。


(ほんと、意味わかんない)


でも、

「勝手にしてください」

断る理由も見つからなかった。