来年も、君と桜を。

「放っておいてください」


そういった瞬間、


「無理」

即答だった。


「倒れられたら迷惑なんだよ」


冷たい言葉。


なのに、


「歩け、無理なら引きずる」


強引にでも連れて行こうとするその感じが、妙に優しかった。


(なに、この人……)

冷たいのに、突き放してこない。

意味がわからない。




結局、私は半ば引きずられるみたいにして、教室を出た。


廊下を歩くたびに視線を感じる。


最悪……。

こんなに目立つつもりじゃなかったのに。


「……ちゃんと歩け」

隣から低い声。

「歩いてます」

小さく返す。

「遅ぇ」

「すみませんね」


気づけば、少しだけ普通に会話してた。


ーー名前も知らないのに。