来年も、君と桜を。

次の日の朝。


教室のドアを開けた瞬間、

少しだけ心臓が跳ねた。


(……いる)


窓際の一番後ろ。


篠田蓮ーー


昨日と同じ場所で、頬杖をついて外を見ている。


(……気にしすぎ)


自分に言い聞かせて、席に向かう。


「おはよ……」

小さく声をかけると、

「……」

返事はない。

やっぱり無視。


(うん、知ってた)


そう思いながら椅子を引こうとしてーー


「体調は?」

ぼそっと、低い声。

「……え?」

思わず振り返る。

「もう倒れねぇのかって聞いてんだよ」

相変わらず言い方は雑。


でも、


「……大丈夫」

自然と笑って答えていた。


「心配してくれてるんですか?」

少しだけ意地悪く聞いてみる。


すると、


「してねぇ」

即答。

(早っ)


でも、そのわりにーー


ちらっとこっちを見る視線は、少しだけ優しかった。