夕焼けの空に、君を想う。

少し寂しそうに、桜陽が笑った。
「…すぐ、戻るから」
そう言って、少し早足でフードコートに向かう。
人が多いのもあって、かなり並んでいる。
途中、引き返そうかとも思ったけれど、桜陽にクレープを食べさせてあげたかった。

並んでから十分後、やっと私の番が回ってきた。
「ご注文、如何されますか?」
そう言って、店員さんがメニューを見せてくる。
いちごクレープ、バナナチョコクレープ、みかんクレープなど、色々あった。
思えば、私は桜陽の事を何も知らない。
ここで、すぐに桜陽が食べたそうな物を言うことも出来ない。
私は結局、桜陽にバナナチョコクレープ、私にいちごクレープを頼む事にした。
お会計を済ませて、慎重に人と人との間を通る。
「急がなきゃ…」

ショッピングモールの外に出て、桜陽のいるベンチへと向かう。