夕焼けの空に、君を想う。

「逃げてた。」
「現実から、夢から。」
お互いに目を逸らしていた。
でも、逃げたくなかった。
「…私ね。」
ゆっくりと、口を開く。
「夢、見つけたんだ。」
お父さんが顔を上げる。
「私、医師になりたい。」
「病気の人を助けて、笑顔にしたい。」
「夢を…持たせてあげたい。」
「…決して、あなたは一人ではないよと、教えてあげたい。」
桜陽の顔が浮かんだ。
あの笑顔。
あの言葉。
「そうか…。」
お父さんが、小さく頷いた。
「大変だぞ。」
「うん。」
「辛いことも、沢山ある。」
「うん。分かってる。」