夕焼けの空に、君を想う。

桜陽の、最後の声。
私は、全ての感覚を耳に注ぐ。
「愛してくれて、ありがとう。」
「必要としてくれて、ありがとう。」
そして、一言。

「大好き。」

その瞬間。桜陽は目を瞑った。
さっきまであった、微かな力が…もう無い。
「…桜陽?」
返事は、ない。
夕日が、沈む。
世界が、少しずつ暗くなる。
それでも、私は彼を抱きしめたまま。
離さなかった。
木下桜陽は最期まで、生き抜いた。
諦めず、希望を見出して。
それでも、あと少しだけ、あなたと早く出会えていたのなら、
あと少しだけ、あなたと長く一緒にいれたのなら、
_______ 私は、あなたを救えただろうか。