夕焼けの空に、君を想う。

そう言って桜陽がティッシュで私の手を拭いてくれた。
「あ、ありがと…」
「ふふ、どういたしまして」
そう言って笑う桜陽を見て、咄嗟に目を逸らしてしまう。
私は心臓の高鳴りを隠すように、一気にクレープを口に詰め込んだ。
それと同時に、果物が喉に詰まる。
咳き込んでいると、桜陽が「無理に詰め込むから」と車椅子を動かし私の背中をさする。
「…大丈夫?」
「桜陽のせいだよ…」
「えぇ、僕のせいなの…?」
そう言って困惑している桜陽を見て、「冗談だよ」と笑う。桜陽は「もう、びっくりさせないでよ」と安堵している。
桜陽はまだ、クラゲに申し訳なさを抱いているからか、まだ半分も食べていない。
「もうクラゲ一匹食べちゃったんだから食べなよ」
そう言うと桜陽は「そうだけどさー」とクレープをみつめながら葛藤している。
「…いつまでもそんな事してたら、私が食べちゃうよ」