交わらない2人は、恋をしている

 次の日の放課後、約束された図書室のドアを開けた時ふと目が合った。そこには、唯奈と星野仁美がいた。
「あ、碧君。ごめんね、今日仁美と約束してたの忘れててーもしよかったらで良いんだけど3人でしない?」
 心臓がまたドクンとした。少し茶色がかった長い黒髪に、目はぱっちりとした二重ではなく優しい光を持っているようだった。
「僕は良いけど、その。」
 言葉が詰まってしまう。
「私は大丈夫だよ。あ、私は星野仁美です。仁美って呼んでくれたら。」
 自分に話しかけられてることに頭が追いつかなかった。
「うん。僕は碧でも黒川でもなんでも。」
「じゃあ唯奈と一緒で碧君って呼ぶね。」
 下の名前で呼ばれると思っていなかった。しかも君付け。
「よし、それじゃあテスト近いし勉強しよっ。」
 唯奈が元気よく仕切る。さすが。
「うん。」
 3人でいる時間は幸せだった。
「そういえば、碧君って推しとかいるの?」唯奈が聞く。
「知ってるか分からないけど、『LOVE YOU』って言うアイドルグループが好きでさ。」
「え!私も好き!誰推し??」
 急に仁美が声を上げた。まさかの同じグループ推しだった。
「嘘!僕はマナ推し、仁美は?」
「え、私も一緒なんだけど。」
 まさかの出来事だった。共通の話題ができてしまった。
 その後、お互いに推しの好きなことを話し、解散した。明日また一緒に残ることを約束して。

 次の日、昨日と同じ場所に行くと、同じクラスの斎藤陽毬もいた。確か唯奈と幼馴染だったはず。
「ごめんねー今日はわいわいしたいなって思って陽毬も誘っちゃった。良い?」
「うん、大丈夫だけど。」
 昨日と同じような流れな気がする。
「私は全然大丈夫。同じクラスの確か、黒川君だったよね?」
 斎藤さんは友達も多く、スポーツも勉強も万能な彼女は人気があった。
「うん、斎藤さんだよね?」
 合ってるか不安だったから、少し声が小さくなってしまった。
「そう、下の名前、陽毬だから陽毬って呼んでくれたら。黒川君も碧って呼んで良い?」
「うん、わかった。」
 その後は、4人で勉強を教え合ったり、たわいもない会話をして終わった。