(緊張して疲れちゃった……)
国王夫妻との謁見が終わり、ロゼッタは疲労を感じながら廊下を歩いていた。窓の外にはインク色に染まった空が広がり、無数の星々が宝石を散りばめたように輝いている。
「お疲れ様。今日はもう部屋に戻って休んでいいよ」
「はい。それでは失礼します、エドガー様」
ロゼッタは丁寧に頭を下げて、自室に向かおうとする。その背中に向かって、エドガーが呼びかけた。
「……ああ、ごめん。少しいいかな。実は、君にもうひとつお願いしたい仕事があるんだ」
「仕事、ですか?」
ロゼッタが振り返ると、エドガーは少し照れ臭そうに笑った。
「あの楽しかった四日間が、どうにも忘れられなくてね。よかったら、また僕の話し相手になってくれないかな」
「え……」
ふたりで過ごした時間を大切に思っていたのは自分だけではない。エドガーも同じ想いを抱いていてくれたのだ。それは一度消えかけた小さな明かりが、再び暗闇の中で灯されたようだった。
けれど、ロゼッタの沈黙を拒絶と取ったようで、エドガーは静かに目を伏せた。
「いや、困らせるようなことを言ってしまったね。今のことは忘れて……」
「忘れません!」
勝手に話を終わらせようとするエドガーに、ロゼッタは一歩進み出る。
「私でよければ、ぜひよろしくお願いします。エドガー様」
感謝を込めて笑顔で告げると、エドガーの表情が安堵で緩んだ。
「ありがとう。だったら、その呼び方もやめてくれないかな」
「あ、そうですよね。これからはサンジェスト閣下とお呼びすべきでした」
「そうではなくて」
律儀なロゼッタに、エドガーは焦れたように首を横に振った。
「また前みたいに呼んで欲しいんだ。急にそんな他人行儀な呼び方をされると、なんだか遠い存在になったみたいで寂しいよ」
「……はい、エドガーさん」
ほんの少し呼び方を変えただけなのに、元の関係に戻ったような不思議な気持ちになる。上機嫌な様子のエドガーにつられて、ロゼッタもまた、ふわりと柔らかな笑みを零した。
国王夫妻との謁見が終わり、ロゼッタは疲労を感じながら廊下を歩いていた。窓の外にはインク色に染まった空が広がり、無数の星々が宝石を散りばめたように輝いている。
「お疲れ様。今日はもう部屋に戻って休んでいいよ」
「はい。それでは失礼します、エドガー様」
ロゼッタは丁寧に頭を下げて、自室に向かおうとする。その背中に向かって、エドガーが呼びかけた。
「……ああ、ごめん。少しいいかな。実は、君にもうひとつお願いしたい仕事があるんだ」
「仕事、ですか?」
ロゼッタが振り返ると、エドガーは少し照れ臭そうに笑った。
「あの楽しかった四日間が、どうにも忘れられなくてね。よかったら、また僕の話し相手になってくれないかな」
「え……」
ふたりで過ごした時間を大切に思っていたのは自分だけではない。エドガーも同じ想いを抱いていてくれたのだ。それは一度消えかけた小さな明かりが、再び暗闇の中で灯されたようだった。
けれど、ロゼッタの沈黙を拒絶と取ったようで、エドガーは静かに目を伏せた。
「いや、困らせるようなことを言ってしまったね。今のことは忘れて……」
「忘れません!」
勝手に話を終わらせようとするエドガーに、ロゼッタは一歩進み出る。
「私でよければ、ぜひよろしくお願いします。エドガー様」
感謝を込めて笑顔で告げると、エドガーの表情が安堵で緩んだ。
「ありがとう。だったら、その呼び方もやめてくれないかな」
「あ、そうですよね。これからはサンジェスト閣下とお呼びすべきでした」
「そうではなくて」
律儀なロゼッタに、エドガーは焦れたように首を横に振った。
「また前みたいに呼んで欲しいんだ。急にそんな他人行儀な呼び方をされると、なんだか遠い存在になったみたいで寂しいよ」
「……はい、エドガーさん」
ほんの少し呼び方を変えただけなのに、元の関係に戻ったような不思議な気持ちになる。上機嫌な様子のエドガーにつられて、ロゼッタもまた、ふわりと柔らかな笑みを零した。
