ドンッ

花火の光が、2人を照らす。

さっきよりも、距離が近い。


「……奈桜」

名前を呼ばれる。

低くて、優しい声。

「……はい」


すぐそこに先生がいた。

近い。

近すぎる。


「頑張ったご褒美」

その一言で、胸の奥がじんわり熱くなる。


「……先生が見ててくれたから、頑張れました」


思ったまま、こぼれる。

一瞬、先生の目が揺れる。


「……それ、ずるいな」


小さく笑う声。


「そんなこと言われたら、離れられなくなるだろ」



ドクン、と心臓が跳ねる。

きっと今顔が真っ赤で、恥ずかしくて先生を見れない。


「こっち見て」

優しく、でも少しだけ強い声。

顎にそっと指が触れて、顔を上げられる。


「……っ」


逃げられない。

視線が、絡む。

わずかに細められた、余裕を帯びた眼差しに、まっすぐ見つめられる。




そのまま——



.