コツン、と軽く頭を小突かれる。
「素直じゃないな」
少しだけ、からかうような声。
「……っ」
顔が熱くなる。
「……先生だって」
思わず言い返す。
「何が?」
「……なんでもないです」
同じことを返すと、
先生は小さく笑った。
その距離が、近いまま。
「……ほんと、危ないな」
ぽつりと落ちた声。
一瞬、何のことか分からなかった。
でも——
その目を見た瞬間、分かる。
ドクン、と心臓が鳴る。
少しだけ気まずい沈黙。
その空気を切るみたいに、先生が軽く息を吐いた。
「……よし、ゴミ捨て行くか」
「え?」
思わず聞き返す。
「まだ残ってるだろ」
教室の隅にまとめてある段ボールや装飾を顎で示す。
「あ、はい…」
慌てて頷く。
さっきまでの空気が、少しだけ緩む。
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